物が見づらくなった
 近視を含めた屈折異常の可能性とともに、眼底出血・網膜剥離などの重篤な病気の症状である可能性があります。特に、痛みも痒みもなく、片目が急に見づらくなった場合は、注意が必要です。
 糖尿病の診断を受けている
 糖尿病は、主に血管系の障害を通して、いろいろな臓器の機能を自覚症状なしに徐々に障害していきます。腎臓とならんで代表的なのは網膜です。糖尿病網膜症といわれ、先進国において成人の失明原因の上位を占めています。自覚症状がなくても、網膜症が進んでいることがありますので、眼科で眼底の精密検査を受けることをお勧めします。また、定期的な眼底検査とともに、しっかりと血糖値をコントロールすることが大切です。
 目の前に何かが飛んでいる(飛蚊症)
 大部分(100人のうち97人ぐらい)は心配ありませんが、「飛蚊症」の検査によって、網膜剥離やその前段階・目の奥の炎症や出血が原因としてみつかることがあります。これらの病気は、早い段階で見つけて治療することが、視力を保つためにもっとも大切です。自分の症状は心配のないものだろうと決め付けず、眼科医の診察を受けてください。
 目が疲れる
 涙の減少してる状態(ドライアイ)・近くの物に焦点が合わせづらい状態(遠視の矯正不足、近視の過矯正、老視)などが考えられます。頻度は低いですが、緑内障が原因として見つかることもあります。また、ドライアイであった場合には、シェーグレン症候群といった全身性の病気が見つかることもあります。
 目が赤くなった
 単なる疲れや目をこすっただけでも起こる症状ですが、目の奥の炎症(ぶどう膜炎)などの病気が原因となっていることがあります。何もせずに30分ぐらい様子をみても赤みがひいてこなければ眼科を受診してください。
 目ヤニが出る
 主に結膜炎でおこりますが、結膜炎の原因は様々です。咽喉やおなかの風邪と同系統のウイルスが原因となるウイルス性結膜炎は、小中学校ではインフルエンザと同様なおるまで登校禁止になります。風邪の症状がでない人もあります。感染力が強く、こじらせると角膜炎をおこすタイプもあるので注意が必要です。
 目がゴロゴロする
 いろいろな原因が考えられます。目に何かが入った場合では、鉄粉・石灰・ばい菌を含んだゴミ(真菌を含んだ植物性のもの)などが黒目の部分(角膜)についたままであると、重大な視力障害の原因となることがあります。眼科を受診して確認してください。
 コンタクトレンズを使用している・使用したい
 コンタクトレンズは目の表面にとっては異物です。使用法を誤れば角膜や結膜の障害を引き起こします。角膜の炎症に細菌やアメーバの感染を伴えば、急激に悪化して重大な視力障害を残すことも少なくありません。慢性的な角膜障害だけでも程度によっては眼科手術(白内障など)の際の角膜合併症をおこす危険が高まります。視力の矯正でどうしても必要な方が最大限の注意を払って使用することが原則です。コンタクトレンズは必ず信頼できる眼科医の診察・処方を受けて使用しましょう。
 これまで一般に、コンタクトレンズを使われる方が、正しい使用法や注意事項の説明を受ける機会が十分であるとは言いがたい状況でした。コンタクトレンズによる目のトラブルは、それと自覚していない場合も含めるとかなりの数にのぼります。将来も長期にわたってコンタクトレンズを使用したい方は、3ヶ月毎の定期的な検診はもちろんのこと、何か気になる点があったら早めに診察を受けて重大な障害を未然に防ぎましょう。
 当院(元町眼科)では、毎週金曜日午後にコンタクトレンズ処方を行っております。
 目の縁に何かできて痛い
 一般にモノモライ、メパチコなどと呼ばれているマイボーム腺の梗塞・炎症が考えられます。そのうちに治るだろうと思って放っておくと、細菌感染をおこして腫れて、抗生物質の点滴が必要になることもあります。そこまで悪くならなくても治るまで時間がかかることが多いので、早めに眼科を受診してください。
 目のまわりに急に湿疹が出てきた
 ヘルペスなどの感染症の可能性が考えられます。眼科と皮膚科を受診してください。角膜炎などの予防が必要です。 
 瞳の位置がおかしいのでは?・いつも首を傾げて物を見ているのでは?〔小さな子供さん〕
 斜視や弱視の可能性があります。斜視の結果として弱視になる場合もあります。正常な視力の発達を期待するには、斜視・弱視を早期に診断し、早期に治療を開始することが必須とされています。遅くとも小学校就学前に治療を開始しないと、視力の発達が厳しくなります。お子さんを見ていて気になることがありましたら、眼科を受診し検査を受けてください。
 めまいがする
 眼鏡が合っていないなどの目の異常が原因となることもありますが、まずは内科あるいは耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします。特に、目をつぶってもくらくらする時は眼科以外の受診が適当と思われます。